放課後等デイサービス事業等を行う場合に必ず配置しなければならない児童発達支援管理責任者。児童発達支援管理責任者として配置されるためには一定の事業所で少なくとも5年以上の実務経験が必要です。
この記事では、児童発達支援管理責任者になるための実務経験要件について詳しくご紹介します。
実務経験必要年数 5つのパターン
これまでの実務経験が相談支援業務・直接支援業務・資格の有無・国家資格に基づく業務のいずれにあたるのかで必要年数が異なってきます。
まずは実務経験の要件として5つのパターンがあることを理解しておきましょう。
パターン1
相談支援業務を5年以上
パターン2
有資格の方+直接支援業務を5年以上
パターン3
相談支援業務と直接支援業務(有資格)を合わせて5年以上
パターン4
直接支援業務(資格がない場合)を8年以上
パターン5
国家資格者としてその業務を5年以上+相談支援業務または直接支援業務を3年以上
※さらに、実務経験年数の中に以下の表にある太字事業の従事者だった期間が含まれている場合は、その期間を除いて3年以上あることが必要です。
※1年以上の実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上あり、かつ実際に従事した日数が1年あたり180日以上ある場合をいいます。
実務経験として認められる業務内容
次に相談支援業務・直接支援業務・有資格・国家資格とはどのようなものをいうのか、具体的内容についてです。
詳細に規定されていますので、児童発達支援管理責任者候補の方がどのような種類の事業所や資格をもとに実務経験を積まれていたか、その年数とともに正確に確認しておきましょう。
相談支援業務
相談支援業務とは、身体上・精神上の障害または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある方や児童の日常生活の自立に関する相談に応じ、助言、指導その他の支援を行う業務をいいます。
①~⑥に該当する事業の従業者として上記の業務を行っていた場合、その期間を実務経験期間としてカウント可能です。
① |
・地域生活支援事業 |
② |
・児童相談所 |
・障害児相談支援事業 |
・児童家庭支援センター |
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・身体障害者相談支援事業 |
・身体障害者更生相談所 |
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・知的障害者相談支援事業 |
・精神障害者社会復帰施設 |
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|
・知的障害者更生相談所 |
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|
・福祉事務所 |
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・発達障害者支援センター |
③ |
・障害者入所施設 |
④ |
・障害者職業センター |
・乳児院 |
・障害者就業・生活支援センター |
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・児童養護施設 |
|
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・児童心理治療施設 |
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・児童自立支援施設 |
|||
・障害者支援施設 |
|||
・老人福祉施設 |
|||
・精神保健福祉センター |
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・救護施設 |
|||
・更生施設 |
|||
・介護老人保健施設 |
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・地域包括支援センター |
⑤ |
・幼稚園 |
⑥ |
病院または診療所の従業者で以下に該当する者 |
・小学校 |
・社会福祉主事任用資格者 ※1 |
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・中学校 |
・国家資格を有する者 |
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・義務教育学校 |
・①から⑤の従事者で1年以上従事 |
||
・高等学校 |
・相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了する等により相談支援の業務を行うために必要な知識及び技術を習得したもの(例:訪問介護員2級以上に相当する研修) |
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・中等教育学校 |
|||
・特別支援学校 |
|||
・高等専門学校 |
直接支援業務
直接支援業務とは以下のようなものをいいます。
・身体上・精神上の障害や環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある方や児童に対して、介護や介護に関する指導を行うこと、日常生活における基本的な動作の指導・知識技術の付与、生活能力の向上のために必要な訓練その他の支援を行うこと
・その訓練等を行う者に対して行う職業訓練・職業教育
①~⑤に該当する事業の従業者として上記の業務を行っていた場合は、その期間を実務経験期間としてカウント可能です。
なお、「有資格」の方が直接支援業務に従事していた場合は、相談支援業務の期間と合算することができます(パターン3)。
① |
・障害者入所施設 |
② |
・障害児通所支援事業 |
・助産施設 |
・児童自立生活援助事業 |
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・乳児院 |
・放課後児童健全育成事業 |
||
・母子生活支援施設 |
・子育て短期支援事業 |
||
・保育所 |
・乳児家庭全戸訪問事業 |
||
・幼保連携型認定こども園 |
・養育支援訪問事業 |
||
・児童厚生施設 |
・地域子育て支援拠点事業 |
||
・児童家庭支援センター |
・一時預かり事業 |
||
・児童養護施設 |
・小規模住居型児童養育事業 |
||
・児童心理治療施設 |
・家庭的保育事業 |
||
・児童自立支援施設 |
・小規模保育事業 |
||
・障害者支援施設 |
・居宅訪問型保育事業 |
||
・老人福祉施設 |
・事業所内保育事業 |
||
・介護老人保健施設 |
・病児保育事業 |
||
・病院または診療所の療養病床 |
・子育て援助活動支援事業 |
||
|
・障害福祉サービス事業 |
||
・老人居宅介護等事業 |
③ |
・病院もしくは診療所 |
⑤ |
・幼稚園 |
・薬局 |
・小学校・中学校・義務教育学校 |
||
・訪問看護事業所 |
・高等学校 |
||
④ |
・特例子会社 |
・中等教育学校 |
|
・助成金受給事業所 |
・特別支援学校 |
||
|
・高等専門学校 |
「有資格」に該当する具体的資格
・社会福祉主事任用資格者 ※1 |
・相談支援の業務を行うために必要な知識及び技術を習得したものと認められるもの (例:訪問介護員2級以上に相当する研修を修了している方) |
・保育士 |
・児童指導員任用資格者 ※2 |
・精神障害者社会復帰施設指導員任用資格者 |
「国家資格」 に該当する具体的資格
・医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師 |
・理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士 |
・視能訓練師、技師装具士、歯科衛生士、言語聴覚師 |
・あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師 |
・管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士 |
※1 社会福祉主事任用資格者
・大学、短大、旧制大学、旧制高等学校、旧制専門学校において、厚生労働大臣の指定する社会福祉主事任用資格選択必修科目のうち、いずれか3科目以上の単位を修得して卒業している |
・厚生労働大臣の指定する養成機関または講習会の課程を修了した |
・社会福祉士 |
・厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格した |
・精神保健福祉士など、上記に該当する者と同等以上の能力を有する者として厚生労働省令で定める者 |
※2 児童指導員任用資格者
・都道府県知事の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校を卒業 |
・社会福祉士、精神保健福祉士 |
・大学の学部または大学院で、社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を専修する学科を卒業(海外の大学でもよい) |
・小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校の教諭となる資格を有する |
・2年以上児童福祉事業に従事(高卒者以上) |
・3年以上児童福祉事業に従事(その他) |
実務経験証明書について
児童発達支援管理責任者に必要な実務経験要件を満たすことが確認できた場合は、その内容を実務経験証明書で証明することになります。
具体的には、以前の勤務先において所定の書式に業務期間・従事日数・業務内容・職名などを記載していただきます。指定の要件であり報酬請求の根拠の重要書類であることから、内容の正確性はもちろん他者が書き足したりすることのないよう十分気を付けてください。
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まとめ
児童発達支援管理責任者になるためには実務経験要件のほか研修受講が義務付けられていますが、必要な実務経験年数の2年前から受講することができます。研修日程をご確認のうえ、効率よく配置が進められるよう準備をしておくとよいでしょう。
※児童発達支援管理責任者の実務経験を満たし実務経験証明書を取得できそうであっても、雇用契約締結の前に指定権者への確認をする方が安心です。
※当サイトの情報は、一般的な参考情報を提供する目的としております。ご自身で手続きを行う場合は、申請予定の行政機関が公表している最新情報を確認することをおすすめします。
行政書士中川美加事務所では、放課後等デイサービス事業者指定の手続きサポートを行っています。
事業指定に必要な書類作成・条件の確認から無事指定を受けるまで丁寧に手続きを進めます。また、事業開始後行政機関に対して提出が求められる各種届出についてもお任せいただけます。
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