放課後等デイサービス事業とともに行われることが多い児童発達支援事業。この事業も障害児通所支援事業の1つですので、行政機関に対する指定申請が必要です。この記事では、児童発達支援事業を立ち上げる際に必要な指定申請とその要件、多機能型についてご紹介します。

 

1 児童発達支援事業とは

 

障害児が日常生活における基本動作や知識技能を習得し集団生活に適応できるよう、適切な指導・訓練を行う事業をいいます。

 

 

2 指定申請の要件(人的基準・設備基準)

 

児童発達支援事業立ち上げには人的要件等の基準を備えたうえで指定申請を行う必要があります。

児童発達支援事業指定申請における各基準は放課後等デイサービス事業指定申請の場合と同様です。

 

よろしければ放課後等デイサービス事業に関するブログを参考にしてください。

放課後等デイサービス | 行政書士中川美加事務所|最適なこれからを作るお手伝い (nakagawa-office.com)

 

 

3 多機能型事業所とは?

 

放課後等デイサービス事業とともに児童発達支援事業を行う場合のように、障害児通所支援事業のうち複数事業を一体的に行う場合を多機能型事業所といいます。

 

多機能型の指定申請は事業の種類ごとに行います。例えば、放課後等デイサービス事業に加えて児童発達支援事業も行う場合は、事業の変更ではなく追加指定の手続を行うことになります。

 

 

4 多機能型にするメリット 多機能型の特例とは?

 

事業の種類が異なれば、事業ごとに人員・設備等の基準を満たすのが原則ですが、多機能型では1つの事業所として基準を満たせばよいことになります。

 

〇従業者の員数に関して

 

原則:従業者は管理者を除き専ら当該職務に従事する必要あり

特例:当該多機能型事業所の職務に専従

 

※例えば、放課後等デイサービス・児童発達支援の多機能型である場合、放課後等デイサービスの従業者は児童発達支援業務に従事できないということではなく、いずれかの業務に専従していればよい。

※利用定員に関する特例により、従業者の員数も特例利用定員に応じて確保されていればよい。

 

〇設備に関して

サービスの提供に支障がない範囲で兼用可能

 

 

〇利用定員に関して

当該多機能型事業所が行うすべての指定通所支援の事業を通じて10人以上

 

※例えば、放課後等デイサービスと児童発達支援の多機能型である場合、利用定員を各事業10人ずつと考えず、両事業合計で10人とすることが可能

 

〇報酬に関して

当該多機能型事業所において行う指定通所支援の利用定員の合計数を利用定員として算定

 

 

5 一の多機能型事業所を行うには

 

事業所をさらに増やす場合、一定の要件を満たせば一の多機能型として取り扱われることが可能です。

 

同一敷地内で複数の指定通所支援事業所(多機能型事業所)を行う場合は一の多機能型として取り扱われます。一方、同一法人が異なる場所で複数の指定通所支援事業を一の多機能型として行うためには、以下の要件を満たす必要があります。

各事業所が一体的に運用管理されているかどうかがポイントになります。

 

①事業所それぞれの利用定員が5人以上

②事業所間が概ね30分以内で移動可能な距離であって、児童発達支援管理責任者の業務の遂行上支障がないこと。

③利用申し込みに係る調整、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。

④職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されていること。必要な場合には随時、異なる場所で行う事業所間で相互支援を行うことができる体制にあること。

⑤苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。

⑥事業の目的や運営方針、営業日や営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められていること。

⑦人事・給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われるとともに、事業所の会計が一元的に管理されていること。

 

 

 

5 まとめ

 

放課後等デイサービスと児童発達支援を組み合わせることによって、幼児期から子どもの成長・状態に合わせたサービスを継続的に行うことが可能になります。保護者にとっても慣れ親しんだところに長く預けることができるので安心です。これらの仕組みが事業所の強みにもなり、結果として安定的な経営につながることが考えられます。

 

多機能型事業所運営は単一サービスの事業所と比較してやや複雑になるものの、特例により人員確保や経営上の管理がしやすくなっています。

 

事業所にとっても利用者側にとってもメリットが多い多機能型事業所への展開をお考えでしたら、上記の要件を満たす仕組みを整えつつ着実に準備を行ってください。

 

 

※当サイトの情報は、一般的な参考情報を提供する目的としております。ご自身で手続きを行う場合は、申請予定の行政機関が公表している最新情報を確認することをおすすめします。

 

 

行政書士中川美加事務所では、放課後等デイサービス事業者指定や児童発達支援事業との多機能型事業所の指定などの手続きサポートを行っています。

事業指定に必要な書類作成・条件の確認から無事指定を受けるまで丁寧に手続きを進めます。また、事業開始後行政機関に対して提出が求められる各種届出についてもお任せいただけます。

 

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