放課後等デイサービス事業を行う場合、指定申請時はもちろん運営している間も児童発達支援管理責任者等の人員基準を満たしていなければなりません。この記事では、サービス提供中にどのような人材をどの程度配置する必要があるのか、名古屋市の場合を中心にご紹介します。

 

1 人員基準 

サービスを行う時間中は所定の人数の管理者と従業者を配置する必要があります。

(1)管理者  1人以上

(2)従業者 

児童発達支援管理責任者

 

1人以上 ※1人以上は専任かつ常勤

児童指導員または

保育士

障害児の合計数に応じて定める数以上 ※1人以上は常勤

障害児10人まで   2人以上

障害児11~15人  2人+1人以上

※管理者と児童発達支援管理責任者の兼務可能

 

(3)その他

機能訓練担当職員

機能訓練を行う場合に配置

看護職員

医療的ケアを行う場合に配置

※医療機関等との連携により看護職員を事業所に訪問させ医療的ケアを行う場合は配置しないことも可能

 

2 職務内容

各職種の職務内容は以下の通りです。

 

管理者

・事業所の従業者及び業務の管理その他の管理を一元的に行う

・従業者に運営に関する基準を遵守させるために必要な指揮命令を行う

児童発達支援管理責任者

・個別支援計画書の作成に関する業務を行う

・常に児童の心身の状況、環境等の的確な把握に努める

・児童または家族に対しその相談に適切に応じ、必要な助言その他の援助を行う

・従業者に対し技術的指導及び助言を行う

児童指導員

・児童の生活指導を行う

 

3 各職種の資格要件は?

(1)管理者  資格要件なし

(2)従業者

児童発達支援管理責任者として配置されるためには、実務経験・資格者証・研修受講の点で要件を満たさなければなりません。

実務経験の場合、理学療法士や社会福祉士、介護福祉士などの資格に係る業務や相談支援業務、直接支援業務を必要年数行っているかで確認します。実務経験として認められる業務内容は非常に細かく決められていますので、候補者が該当するかどうかを丁寧に確認することが大切です。

児童発達支援管理責任者

一定の事業所で必要年数の実務経験を有していること

例:保育士資格を持ち保育士として5年以上かつ900日以上勤務

※詳細は厚生労働省告示第230号で確認できます

<5461726F2D81798C668DDA9770817A32343033323790D493FC82EA976E82AF>(mhlw.go.jp)

 

②所定の研修を修了していること

 社会福祉関係職員等研修の実施 – 愛知県社会福祉協議会 (aichi-fukushi.or.jp)

※研修の受講要件や申込期間を確認の上、早めに受講することをおすすめします

児童支援員

〇児童福祉施設の職員を養成する学校を卒業している

〇社会福祉士や精神保健福祉士の資格を有している

〇大学の学部で社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専修し、課程を修めて卒業した

〇大学院の社会福祉学、心理学、教育学、社会学を専攻する研究科を卒業した

〇高校を卒業し2年以上かつ360日以上児童福祉事業(※)に従事した

〇幼稚園、小学校、中学校、高等学校または中等教育学校の教諭となる資格を有している

〇3年以上かつ540日以上児童福祉事業(※)に従事した

等のいずれかに該当していることが必要

※社会福祉法における「児童福祉事業」として、障害児通所支援事業、障害児相談支援事業が含まれます。

 

4 指定後、児童発達支援管理責任者が退職する場合に備えて

指定後事業を行っている間に、児童発達支援管理責任者が退職してしまうこともあるかと思います。児童発達支援管理責任者は指定維持のための要件であるため、いない状態で事業を行うことは原則できません。

そのため、退職までに新たに雇用したり配置転換をするなどして児童発達支援管理責任者が欠けることがないようにする必要がありますが、新たに採用する場合人員確保は簡単ではないことが多いです。
確保が出来なければ、新規の利用者の受け入れができなくなったり各減算が生じてしまいます。

このような状況に備えるために、日頃から事業所内においてスタッフのスキルアップを図り、定着率を高めることが重要です。

先にご紹介した資格要件にある「児童福祉事業」には、障害児通所支援事業、障害児相談支援事業が含まれています。放課後等デイサービスは障害児通所支援事業ですので、放課後等デイサービスの業務に従事した経験は児童発達支援管理責任者になるための実務経験になります。そのため、事業所内で経験を重ねるスタッフが多ければ多いほど児童発達支援管理責任者の急な退職への備えとなります。

児童発達支援管理責任者が退職した場合でも慌てることなく安定したサービス提供ができるよう、日頃からスタッフの方がスキルアップを目指し長く勤務したくなるような事業所づくりを行うことが大切です。

 

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6 まとめ

ご紹介した人的基準は以前よりも厳しくなったこともあり、人材確保がさらに難しくなっています。業界問わず人材確保は難しい問題ですが、サービスの質を担う重要な方ですので資格だけではなくその人柄も見極めたいところです。

 

※当サイトの情報は、一般的な参考情報を提供する目的としております。ご自身で手続きを行う場合は、申請予定の行政機関が公表している最新情報を確認することをおすすめします。

 

行政書士中川美加事務所では、放課後等デイサービス事業者指定の手続きサポートを行っています。

事業指定に必要な書類作成・条件の確認から無事指定を受けるまで丁寧に手続きを進めます。また、事業開始後行政機関に対して提出が求められる各種届出についてもお任せいただけます。

 

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