こんにちは。愛知県春日井市の行政書士中川です。
当事務所では、遺言書作成や相続手続きをお手伝いしています。

 

子供時代を過ごした実家。何らかの理由で実家には誰も住んでいない。子供たちは現在それぞれの住まいがあり、実家に住む予定はないー。


いわゆる空き家問題は今や他人ごとではない問題となりました。
空き家をそのままにしておくとどのような影響があるのか。今回はコスト面から考えてみたいと思います(2021年8月現在)。

 

必要とされるコストとは

一般的に空き家に必要とされるコストは以下のようなものがあります。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 水道光熱費
  • 火災保険料
  • 庭木の剪定や除草の費用
  • 修繕費

 

 

注意したい「都市計画税」

固定資産税や都市計画税の税額は、課税標準額に税率をかけて算出されています。

家屋と土地で課税標準額の算出方法が異なり、家屋は建物の劣化を考慮した評価額がそのまま課税標準額になります。一方土地のうち住宅用地には評価額を引き下げる特例があり、固定資産税では6分の1、都市計画税は3分の1となっています(200㎡以下の部分)。

この特例によりかなりの税額が軽減されるわけですが、問題は市町村から「特定空き家」に指定された場合です。

 

 

特定空き家に指定されてしまうとどうなるのか

「特定空き家」とは、家屋の所有者に適正に管理をさせようと空き家対策特別措置法などで導入された制度です。自治体が衛生上・保安上一定の問題があると判断した家屋について「特定空き家」指定をします。所有者は市町村から助言・指導、勧告と段階的に対応を求められますが、必要な対応を怠った場合特例の除外がなされ、税負担がかなり大きくなります。

それだけではなく、50万円以下の過料が科されたり、強制的に家屋の解体がされる場合があります。解体は原則所有者負担です。

 

 

あらかじめ考えておきたいこと

このように空き家を長期間放置することはコスト面から見てとてもリスクがあることがわかります。リスクを回避するために、あらかじめあらゆる想定をしておくことが大切です。

仮に相続をする場合は誰が相続するのか、売却・賃貸をするのか、売却するとしても売れない場合の管理費はどうするのかなどが考えられます。

 

いずれにしても、空き家になりそうな家屋がある場合は早めに話し合うことが重要です。そして、話し合いの結果をあらかじめ遺言書に反映させることも有効です。遺言書を作らないとしても、その後の相続手続きがスムーズに進みやすくなるメリットもあります。

 

実家の今後が気になる方は、相続人間で一度話し合いをしてみることをおすすめします。

 

 

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